先生は塾長ただ一人

塾長は25年間学習塾を経営し続けてきました。その間に何人ものアルバイト先生を採用してきましたが、どうもうまくいきませんでした。アルバイトはしょせんアルバイトで、時給のために働いている感が否めないのです。また、学歴があるからと言って教え方がうまいとは限らず、かえって生徒を混乱させてしまうことも多々ありました。新米先生を育てるのも塾長の務めだと考え、様々な指導をしたこともあります。しかし、新米先生が教壇に立つと明らかに生徒たちのやる気が下がるのが見て取れました。
親御さんが宝物のように大切に育ててきた生徒に対し、アルバイト先生をあてがって高いお金をいただく。そんなことは私にはできません。この塾に来る生徒は私が責任をもって育てよう。私の言葉で、私のやり方で、全身全霊をかけて私が指導しよう。と、心に決めています。

誰かがやらないと

もし、私に息子がいて(実際は娘しかいませんが…)、その息子をプロ野球選手に育てたいとするならばどうするか?
まずは小学校低学年時に野球の面白さを知ってもらうために、「楽しい野球を教えるスクール」へ通わせます。
高学年又は中学では「厳しい野球を指導してくれるスクール」に通わせます。やはり厳しさ無しに一流の選手にはなれないからです。
勉強も同じです。小学生には勉強の楽しさを教え、中学生には勉強の辛さに耐えてもらうのが山王ゼミナールのやり方です。
最近の中学校の先生は厳しい指導をしてくれません。厳しい指導とは「体罰」とか「理不尽な指導」といったものではありません。
生徒を伸ばすために鬼になってくれる先生が少なくなっているように思うのです。

私だっていつもニコニコ、和気あいあいと生徒と接することが理想ですし、当然、生徒と仲良くしたいです。
しかし、生徒はまだ未熟です。サボったり・ごまかしたり・逃げたり・言い訳をするものです。
その生徒達をだれが厳しく指導するのか? 
誰かがやらないと、「不平不満を口にし、自分を正当化し、努力を怠る、口だけ達者な人間」になってしまいます。
そんな人は社会に出ても通用しないし、友達もいなくなります。

授業中眠たくなっている生徒に「その場に立って授業を受けろ」と私は命令します。
これは、立っていれば目が覚めるからという理由です。
昔のように廊下に立ってろ!という罰的な考えではないし、みんなの前で恥をかかせようという狙いも全くありません。
眠気を覚ますという、ただそれだけの理由です。眠気が覚めれば、また座らせます。
しかし、このやり方が昨今では古臭い指導と指摘されます。苦情が来ます。
私は、その生徒の成績を伸ばすために眠気を覚まそうとしているだけです。寝るな!負けるな!と、応援しているだけです。

古臭い指導と言われようと、厳しい指導と言われようと、構いません。
それもこれも全て、預かった生徒を伸ばすために私ができることを精一杯やっているだけです。